ミトコンドリア若返り健康法~後編~ 院長&スタッフブログ | 医療法人すずらん まえやま内科胃腸科クリニック

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ミトコンドリア若返り健康法~後編~

 前回のすずらん新聞で、10月に出版された太田成男著『体が若くなる技術』を紹介し、体の中のミトコンドリアを増やすと、体が若返ったり、老化を予防できるという話をいたしました。今回は、実際的な方法についてそのエッセンスをお話しします。
 太田氏は「体にエネルギーを必要としていることをわからせる」ことで、良いミトコンドリアを増やすことができると述べています。具体的には、①「マグロトレーニング」をすること、②背筋を伸ばすこと、③寒さを感じること、④空腹になること、この4つになります。
マグロトレーニングとは?
 マグロといえば赤みの魚の代表ですね。マグロは回遊魚で泳ぎ続けなければならないため、その筋肉は持久力のある赤筋が発達しています。白身の魚であるヒラメは、海の底でじっとしていて動く時はさっと泳ぐため、瞬発力のある白筋が発達しています。
 ミトコンドリアは白筋(瞬発力の筋肉)ではなく、赤筋(持久力の筋肉)の方に多く含まれています。ですから、ミトコンドリアを増やすには、赤筋を鍛えればいいのです。トレーニングとしては、持久力の筋肉を鍛える「マグロトレーニング」が有効になります。代表的な運動としては、ジョギング、ランニング、エアロバイク、エアロビクスなどです。
マグロトレーニングの運動量の目安は?
 ランニングやバイクの運動では、息が切れる程の運動は必要ありません。あせらずゆっくりとした運動をすれば、赤筋が発達し、ミトコンドリアが増えてくれます。長く運動が続けられるのは、その人が持つ限界の60%程度の運動です。トレーニングのほど良さを測る基準として、一番わかりやすいのが心拍数です。最大心拍数の60%に抑えながらの運動が、ほど良い運動になります。ジムにあるエアロバイクには基礎体力を測れる機能が備えられていますので、機会があれば自分の最大心拍数を測定してみるのもいいでしょう。
 実際にはエアロバイク以外で、自分の心拍数を測定しながら運動することは難しいでしょう。少し汗ばむくらいで、ややきついと感じる手前で、会話や風景を楽しみながらできる運動負荷と思えば良いのではないでしょうか。太田氏によると、60%の運動量のバイク運動を毎日2時間続ければ(ちょっときついですが)、わずか1週間で1・3倍、1ヶ月後には2倍にまでにミトコンドリアが増えるとの研究結果を紹介しています。実際的には、30分から60分、週4日以上の60%運動を続ければ、体内のミトコンドリアは確実に増えてくれると思います。
筋トレでもミトコンドリアが増える!
 誰でも久しぶりに運動したり、重い荷物を持ったりして筋肉痛になってしまった経験があると思います。ところが、同じような運動を続けていくと、筋肉痛にならなくなります。これは筋肉が発達して、それまでの負荷に耐えられるようになった証拠で、当然ながら、ミトコンドリアも増えているのです。
 先ほど述べた長時間の持続的なマグロトレーニングでなくても、筋肉トレーニングやウエイトトレーニングでもミトコンドリアを増やすことができます。効率的にミトコンドリアを増やすには、少し強めの力、筋肉に80%くらいの力を出すことです。筋肉に100%以上の力を加えると、筋肉が壊れて筋肉痛が生じます。筋肉痛が生じない程度の力が、80%の力と考えてください。
筋肉痛にならないのは、体の老化現象
 若い頃は、激しい運動をした翌日に筋肉痛になっていたけれど、社会人になってからは運動をした二日後に筋肉痛が出るようになった経験を誰もがしていると思います。あまり知られていませんが、筋肉が痛くなるのは筋肉が壊れた時ではなくGUM06_CL04068.jpg、その筋肉を修復するために新しい筋肉が増えようとした時なのです。運動をせずに年齢を重ねると、筋肉痛の出現がだんだんと遅くなり、やがては筋肉痛そのものが起こらなくなります。これは筋肉の再生能力が低下し過ぎたあまり、筋肉が破壊されても再生しなくなったことを意味します。かなり体の機能が低下し、老化したサインと言えます。そうならないためには、少しずつでも運動を続けることが大切です。
 体は下半身から衰えていきます。特に太ももの筋肉の衰えが転倒を招き、骨折の原因になることはよく知られています。再生能力が低下した状態での骨折は、車いす生活や寝たきりの生活にもつながりますので、高齢者では太ももの筋肉を衰えさせないスクワットなどの筋トレは大変重要と思います。
マグロトレーニングで効果的は有酸素運動とは?
 マグロトレーニングは赤筋を鍛えてミトコンドリアを増やす運動ですが、太田氏は効果的な有酸素運動の方法を紹介しています。有酸素運動は文字通り、酸素を使って脂肪を燃やすことを目的とした運動です。ウオーキングの場合、歩き始めてから30分程経過し始めてから、汗ばみ始め脂肪が燃え始めます。私は患者さんに歩き始めてから12分程と説明していますが、個人差がありますので、汗ばんでからが脂肪が燃焼し始めると考えればいいと思います。もし歩き始めてから30分で脂肪が燃え始めるとすれば、1時間歩いてようやく30分の有酸素運動が達成されたことになります。
 太田氏は、有酸素運動の前に少し強めの運動を入れると、効率的は有酸素運動になると述べています。たとえばウオーキングの場合の具体的な方法を紹介します。①まず30秒ほど小走りで走る。②1分間ほど脈が整うまで歩く。③また30秒ほど小走りする。このサーキットトレーニングを最初に入れて、汗が出始めたら、回りの景色を楽しみながらのウオーキングに切り替えるというものです。この方法であれば、35分程の時間で、30分脂肪を燃やす有酸素運動が可能というわけです。私も最近では、ランニングの前やバイクをこぐ前に、スクワットやダンベルを使った筋トレを先行させるようにしています。皆さんもこの方法を取り入れてみて下さい。
背筋を伸ばせばミトコンドリアが増える!
 背筋を伸ばすのは、、背中の筋肉を意識して、背中の筋肉をずっと使い続けなければならない、持久力の必要な動作です。実はミトコンドリアは、筋肉の中でも姿勢を保つための筋肉、「背筋」と「太ももの筋肉」にたくさん含まれています。ですから、背筋を意識すれば、体は健康になり、見た目にも内面的にも自然と若くなるのです。太田氏は社交ダンスを趣味にしたら、自分の猫背が治ったと述べています。その他、姿勢やバランスを鍛える運動として、バレエ、日本舞踊、太極拳、ヨガ、ジャズダンス、エアロビクスなどが適しています。これらの運動ができない方でも、普段の生活の中で、背筋をピンと伸ばすように意識するだけで、若返ることができます。ぜひ、実行しましょう。
寒さを好むミトコンドリア
 ミトコンドリアを増やすための方法として、持久筋(赤筋)を鍛える方法をこでまで紹介してきましたが、寒さを利用する方法もあります。古来より日本では剣道や柔道などの武芸で寒中稽古、寒中水泳、寒風摩擦など、寒さを利用した運動や健康法があります。経験したことのある方ならわかると思いますが、これらを続けると、体がポカポカしてきます。これはミトコンドリアが活発化しているためです。寒さを感じることで、体は「エネルギーが必要だ」と感じ、エネルギーを作らなければ生命活動ができなくなるため、ミトコンドリアを増やそうとするわけです。
 太田氏は簡単な方法として、サウナの後に水風呂に入ることを勧めています。常時、体を冷やすことは風邪をひいたり、健康を害することになりますので、無理のない方法で寒さを感じる機会を作ればいいのではないでしょうか。
 ちなみに私は、夏でも冬でも上白衣は下着なしのケーシー(半袖白衣)一枚と決めています。もちろん診療スペースは暖房が効いていますが、患者さんからは「よく寒くないね」と言われます。実は、鍛錬と思って、寒さを感じるようにしています。年配の方に薄着は勧められませんが、子供に厚着をさせると体をひ弱にさせることは皆さんよく知っていることと思います。
お腹をすかせて若くなる
 太田氏は、2009年に発表された76匹のアカゲザルを使った20年にも及ぶ研究を紹介しています。70%にカロリー制限をしたサルでは、制限をしなかったサルに比べて、皺や白髪が少なく、体毛が抜けず、精悍な顔つきだったのです。また、カロリー制限をしたサルでは、生活習慣病や老年病で亡くなる数が三分の一にまで激減し、当然、カロリー制限をしたサルの方が平均寿命も長くなったのです。
 サルは人間にもっとも近い動物ですので、人間も70%のカロリー制限で長寿になると考えられます。幸いなことに、カロリー制限は年齢に関係なく、始めたその日から効果が出ること、また、週1~2日の断食でも効果が出るということがわかっています。
「週末断食」がミトコンドリアを呼び覚ます
 以前より健康法として「プチ断食」というのがあります。週末の一日だけですので、平日は普段通りの生活で構いません。しかも、プチ断食は必ずしも完全に断食するわけではありません。例えば、次のようなメニューもプチ断食になります。朝食→野菜ジュース、あるいは紅茶、昼食→軽く麺類、夕食→軽めの食事~このように、気楽に取り組んで下さい。
 動物実験を用いた最近の研究では、総カロリー量を減らすというよりも、空腹感を与える方が、寿命が延びることがわかっています。ミトコンドリアを増やすために最も重要なことは、カロリー制限よりも、むしろ「空腹を感じること」なのです。
 さて、前後編に分けて「ミトコンドリア若返り健康法」を紹介いたしました。ご参考にしていただき、皆さんも実行可能なことを実践してみて下さい。
             【院長 前山浩信】
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