2011年10月アーカイブ|院長&スタッフブログ|医療法人すずらん まえやま内科胃腸科クリニック

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2011年10月アーカイブ

 私がある会員さんに「書くネタを考えるのが大変でね」と話したところ、「それじゃあ、私の病気パニック症候群を書いて下さいよ」と頼まれました。そこで考えを巡らして、「パニック症候群」のもとになる自律神経障害について書こうと思っておりました。
 そんな折りに小林弘幸著の『なぜ「これ」は健康にいいのか?』を読む機会がありました。小林氏は順天堂大学医学部教授で、自律神経研究の第一人者として、数多くのトップアスリートや芸能人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わっています。また、多くの健康番組でわかりやすい解説に定評がある方のようです。小林氏の一番の主張は「自律神経のコントロールができれば、誰もが自分の人生をコントロールすることができる」です。私にも大変参考になった本でしたので、『自律神経バランスと健康』と題して、3回にわたってそのエッセンスをご紹介いたします。
なでしこジャパンはPK合戦をどうして制することができたのか?
 7月18日早朝、多くの皆さんが日本女子サッカーなでしこジャパンのワールドカップ決勝戦を観たのではないでしょうか。延長戦でアメリカに1点を取られても沢選手の後ろ向きでの奇跡的なゴールで追いつきました。ペナルティーキック(PK)合戦の前、なでしこジャパンの選手が円陣を組んだ時、なでしこ.jpg佐々木監督はじめPKが苦手な沢選手以外の選手みなが笑顔でいました。私はこの笑顔を見た時、「勝てるぞ~」と思いました。ゴールキーパーの好守もあって、PK戦を制したなでしこジャパンは見事に世界一となりました。東日本震災で苦難にある日本を勇気づける勝利であり、多くの人が国民栄誉賞に値すると思ったのではないでしょうか。先日には政府がその方向で話を進めている旨の発表がありましたよね。嬉しい限りです。ちょっと興奮気味に書いてしまいましたが、なでしこジャパンの選手たちが土壇場で見せたあの笑顔が勝利を呼んだと思います。
 小林氏は笑顔になると副交感神経が上がり、全身がリラックスして、心に余裕が生まれると述べています。実際に色々な表情をした時の自律神経の状態を計測したところ、心からの笑顔はもちろんのこと、口角を上げる作り笑いであっても、副交感神経が上がることがわかりました。逆に、緊張を高め、副交感神経が下げてしまう表情が、口角が下がり眉間にシワを寄せた「しかめっ面」です。小林氏は口角が下がっていると思ったら、意識的に口角を上げることを勧めています。口角を上げれば、緊張が解けて、余裕をもった行動ができるようになるからです。
自律神経とは?
 さて、ここで自律神経の基本的なことを説明しておきます。私も病状を説明する時に自律神経という言葉をよく使います。「自律」とは自分をコントロールするという意味ですが、「自律神経」は意識しなくても自分の体をコントロールしてくれる神経系といつも説明しています。意識のない眠っている間でも、呼吸してくれるのは自律神経のおかげなのです。その他、体温調節、心臓の鼓動、腸管の動きなど、生命維持に重要な機能を担っているのが、自律神経です。
 自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。交感神経が体を支配すると体が活動的な状態になり、副交感神経が支配すると体はリラックスした状態になります。人間の体は活動的な日中は交感神経が支配し、夜リラックスする時には副交感神経が支配すると説明されてきました。しかし、小林氏は交感神経と副交感神経がきれいにスイッチすることで体が動かされているわけではなく、どちらかがやや優位というようなバランスのシーソー状態にあると説明しています。
自律神経コントロールが人生を変える!
 自律神経がもっとも良い状態というのは、実は交感神経も副交感神経も両方ともに高いレベルで活動している時なのです。自律神経のバランスを意識的に整えられれば、すべてが良い方向に変わり、健康も維持できるし、ここぞという時に持てる能力を発揮できると述べています。その極意が「ゆっくり」を意識し、ゆっくり呼吸し、ゆっくり動き、ゆっくり生きる。その具体的な方法を紹介していきます。
「笑顔で癌が治る」はウソではない!
 「笑い」に話を戻します。笑いには体をリラックスさせて心に余裕をもたらす以外に、笑顔2.jpg免疫力が高まることがわかっています。笑って副交感神経が上がると、免疫の中心であリンパ球が活性化され、さらに癌細胞をやっつけるNK(ナチュラルキラー)細胞も活性化されるのです。最近、「笑い」を取り入れる医療現場が増えてきていることもうなずけます。笑顔で癌が治るというのは、自律神経から考えると、あながち効果のないことではないようです。健康を維持するためにも、ここぞの時にパフォーマンスを出すためにも、そして人生を楽しむためにも、『笑うが勝ち』ということでしょうか。
怒れば怒るほど血液はドロドロになる
 笑顔が自律神経のバランスを整えるいい習慣だとすると、反対に交感神経を高め、自律神経のバランスを崩してしまう最悪の習慣が「怒り」です。よく「怒りに身を震わせる」といいますが、実際にあまりに怒ると手や体が震え、さらにひどくなれば倒れてしまう人すらいます。
 こうした状態になるのは、交感神経が過剰に緊張し、血管が収縮するからです。血管が収縮すると、赤血球が変形したり、赤血球どうしがくっついたり、場合によっては破壊されるため、血液がドロドロになってしまいます。血液がドロドロ状態では、動脈硬化が進行し、血栓症も起こりやすくなります。怒りっぽい人というのは、ある意味で自分の寿命を縮めているともいえます。私もスタッフに怒ることなく、いつも心穏やかに診療できるように修行を積みたいと考えております。
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